取引していた業者がどこか特定が必要
故人の過払金,借金の有無とその金額は,弁護士がその業者から取引履歴を取り寄せることで調べることができますが,故人がどの業者と取引をしていたかは調べることができません。「この業者について調べて欲しい」と業者を特定して依頼を受ける必要があります。
取引していた業者を調べる方法
故人が取引していた業者を調べたい調べる方法として次のものが挙げられます。
- 契約書・利用明細書・カード類を確認する。
- 信用情報登録機関から信用情報を入手する。
リンク:JICC日本信用情報機構(指定信用情報機関)/CIC(指定信用情報機関) - 預金通帳の引落記録を確認する(通帳がない場合,金融機関から預金履歴を取り寄せて確認する)
- めぼしい貸金業者に一通り問い合わせる。
どの業者から借り入れていたかさえ分かれば,取引履歴の開示は各相続人が単独で行うことができます。
返済途中で亡くなった場合,多くは,返済が止まったことで貸金業者から請求書等が来るので,それを機に取引の存在を知ることができます。
これに対して,既に完済している取引については請求が来ないため,調査する必要があります。
また,返済途中で亡くなった場合でも,すでに過払い状態の場合,貸金業者は請求書等を送らない場合があります。
亡くなった方が消費者金融から多額の借り入れをしている場合(又はしていた場合),借金しかないと思って相続放棄してしまうと過払い金返還請求ができなくなるので注意が必要です。