大きな違いは以下の点です。
個人民事再生 | 自己破産 | |
最低弁済額 | 法律で定められた一定額 ※1 | なし(免責)※2 |
財産処分 | なし ※3 | あり ※4 |
申立できる者 | 制限有り | 制限なし |
資格制限等 | なし | あり ※5,6 |
免責制限 | 給与所得等再生の場合は認可決定確定日から7年間は破産しても原則として免責を受けられない。 |
免責確定日から7年間は原則として免責は受けられない。 |
※1 清算価値(破産の場合に換価される財産額)以下まで債務を減らすことはできません。
※2 税金,罰金など一部免責されない債務があります。また,ギャンブル等の免責不許可事由がある場合免責されない場合があります。また,債権者は免責について異議を出すことができます。免責の許否は最終的には裁判所が判断します。
※3 住居以外の抵当権付マンションや所有権留保付の物品(車両・パソコンなど)は債権者の担保権実行により失います。
※4 一定の財産は換価されません。また,手続内では換価されず,手続後に債権者の抵当権実行などにより換価される場合があります。
※5 破産が資格制限事由とされている資格があります(士業,警備員,保険外交員等)。
※6 受任者の破産は委任契約の終了事由になっています。そのため会社の取締役の場合(会社との関係は委任契約上の受任者),破産により委任契約が終了(取締役の地位を喪失)します。
手続内で財産の処分(換価)があるか否かが最も重要な点です。特に住宅ローンのある住宅を所有している場合,自己破産すると住宅を失うことになるため,いずれの手続きを取るかでその後の生活状況に大きな違いが出ます。反対に,破産しても処分される財産がない(又は少ない),あるいは財産を処分されてもよい場合には,敢えて個人民事再生で一定額の債務を支払うメリットは少なくなります。