「完済取引」の場合には,事故情報は載りません。完済すると「完済」情報が登録されます。その後,過払い金返還請求してもその事実を登録する項目がないため登録されません(登録できない)。かつては「契約見直」という登録項目がありましたが,平成22年にこの項目は廃止され,廃止前に登録されていたものは遡って抹消されました。
現在完済していないが計算上過払状態の取引(「準完済取引」)については,回収作業への着手と同時に契約上の返済を止めるため契約の定めに応じた一定期限を過ぎると「滞納」という情報が載ります。過払い金返還で解決すれば,完済した取引として登録されます。このとき通常は「滞納」という情報も消えますが,一部貸金業者は「滞納解消」という登録を残す場合があります(その場合には「滞納解消」の登録の削除を求める必要があります)。なお,準完済取引のうち,自己破産で免責を受けた取引,特定調停で債務不在が確認された取引については「滞納」という状態は生じませんが,自己破産,特定調停時にその登録がされているため,これらの事故情報が抹消されていないうちは,過払い金返還請求にあたり事故情報を心配する必要性に乏しいといえます。
過払状態かどうかわからない「未完済取引」について,過払状態であることを見込んで返還請求した結果,過払状態ではなかった場合,任意整理として登録されるおそれがあるため,慎重に着手する必要があります。支払が困難な状況にないのであれば,履歴を取り寄せて計算し過払状態であることを確認するなど慎重な対応が必要です。当事務所では未完済取引についてご自身で履歴を取り寄せていただければ計算は無料で行います。