弁護士は,債務者から過払い金返還請求事件の依頼を受けるに当たっては,当該債務者が負担している他の債務の有無,内容及び件数を確認し,当該債務者が負担するすべての債務に関する事項を把握するように努める必要があります。債務者から過払い金返還請求の依頼を受けて事件処理をおこなっている間に,当該債務が他の債務を負担していると思料される事情があることを知ったときも同様となります。(日弁連債務整理事件処理の規律を定める規程(H23.2.9)8条1項)
弁護士は,債務者が負担している他の債務があることを知りながら,当該他の債務についての債務整理事件の依頼を受けずに過払い金返還請求事件のみの依頼を受けることはできません(同規程8条2項本文)。ただし,弁護士が当該他の債務について債務整理をおこなわない場合に生じる可能性のある不利益について説明し,その説明を受けても当該債務者が当該他の債務についての債務整理事件を依頼することを希望せず,かつ,その理由が不当な目的に基づくものでないと認められるときは,過払い金返還請求事件のみの依頼を受けることができます(同規程8条2項但書)