違法金利は2010年に廃止。
総量規制で貸金業者から借りられない。
まとめているうちに,いつの間にか銀行のカードローンで生活が苦しくなっていませんか?
かつては違法金利のサラ金が借金の中心でした。そのため法定利率で再計算するだけで借金の元本額が減りました。しかし,適法金利の借金は額面通り適法に存在します。どんな債権者でも利息・損害金は免除しても,元本は免除しません。そのため,返済能力を超えた適法金利の借金がある場合,交渉による解決が難しくなっています。
返済困難であれば第1の選択は破産。
しかし,破産では住宅・資産は処分されます。
住宅・資産を残して借金問題を解決できないか悩んでいませんか?
住宅ローン付き不動産はそのままにし,住宅ローン以外の借金を圧縮できます。
残したい資産の額を計画返済額に計上して,その資産を残すこともできます。
民事再生は住宅ロー支払中の住宅を維持したまま,住宅ローン以外の借金を圧縮できるところに最大の有用性があります。
借金問題の解決は本気で取り組まないと抜本的解決はできません。
先延ばし,安易なまとめローン・借り換え,家族名義での借入れ,無理な債務整理などで,かえって問題を深刻にしていませんか?
事情はみな同じではありません。
夫婦そろって民事再生,妻は任意整理・夫は民事再生,会社は破産・代表者は民事再生,さまざまなパターンがあります。
民事再生の申立て・認可には一定の条件があり,その条件を満たせるか慎重に検討する必要があります。
個人民事再生は,裁判手続のより強制的に債務を減額することで債務整理する手続です。民事再生法は,経済的に窮境にある債務者について,債権者の多数の同意を得,かつ裁判所の認可を受けた再生計画を定めることにより,破産を回避し経済生活の再生を図る手続を定めています。通常は複雑な手続(通常の民事再生)が定められていますが,一定の要件を満たす個人の債務者については,簡易な手続で経済生活の再生を図る特則が定められています。この特則により経済生活の再生を図る手続は,個人の債務者のみを対象にした特別の手続のため一般に「個人民事再生」と呼ばれています。
個人民事再生は,対象となる債務者であることを前提として以下のような方に適しています。ただし,債務総額に制限があることと,対象となる債務者であることが必要です(後記「2つの種類」を参照下さい)。
任意整理で減額可能な額まで債務が減れば民事再生をする必要はないので,減額が見込めない場合を除いて通常はまず任意整理に着手し,返済可能かどうか,過払い金が発生していないかを調査することから始めます。 個人民事再生も,現在の資産額までしか債務を減らすことができないため,高い資産も持っている方は個人民事再生でも返済可能額まで債務が減らない場合があります。 自己破産の場合に免責不許可事由がある場合でも裁量免責が認められる場合があります。
以下の点に注意が必要です。
個人民事再生は小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類あります。
小規模個人再生は「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがある」個人の債務者が対象となります。
給与所得者等再生は,そのような債務者のうち,「給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者であって,かつ,その額の変動の幅が小さいと見込まれる」個人の債務者が対象となります。
いずれも住宅ローン等を除いた債務額が5000 万円以下である必要があります。通常の民事再生,小規模個人再生,給与所得者等再生の順で対象となる債務者の範囲が狭くなるということになります。
小規模個人再生の場合,債権者の半数の反対,または2 分の1 を超える債権額の債権者の反対があると再生計画は認可されません。反対しなければ良く積極的な同意は不要なので消極的同意と言われています。
これに対して,給与所得者等再生の場合には債権者の同意は不要です。したがって,再生計画に反対する大口債権者がいる場合に利用価値があります。しかし,給与所得者等再生では利用できる債務者が限られている上,一定の計算方法により算出された1年間の可処分所得の2年分以上の金額を支払う再生計画でなければなりません。そのため,収入が多い債務者の場合,最低弁済額が小規模個人再生の場合よりも多くなる場合があります。また,給与所得者等再生の認可が確定した日から7年間は自己破産しても免責を得られないという不利益があります。 このように給与所得者等再生は債権者の同意が要らない代わりに小規模個人再生よりも債務者に厳しくなっています。
実際には一部金融機関を除いて再生計画に反対する債権者はほとんどいないので,給与所得者等再生ができる場合でも小規模個人再生を選択することが多くなっています。
小規模個人再生の基準に加え可処分所得の2 年分の額(所定の計算式で算出されます)まで圧縮できる ※可処分所得 = 収入から最低限度の生活をするのに必要な費用を控除した額
自己破産した場合に債権者に配当できる財産の額(清算価値)が上記基準の額で算出された額よりも多い場合はその財産と同額までしか債務を減額することはできません。そのため,不動産時価から住宅ローン残高を差し引いた額が高額の場合や高額の退職金や解約返戻金がある場合,返済総額が返済可能額を超える場合があります。
住宅資金特別条項は,住宅ローンの支払いが困難となった債務者が住宅を維持したまま経済的再生を図ることができる制度です。民事再生法は,以下の住宅資金特別条項を用意しています。
このほか住宅ローンについて滞納がない場合は「従来どおり支払う」という条項を定めることもできます。
いずれかの住宅資金特別条項を定めることで抵当権を実行されることなく他の債務の圧縮を得て経済的再生を図ることができます。本来,住宅ローンも他の債務と同様に圧縮の対象になるはずですが,これでは抵当権を実行されてしまうので住宅ローンだけを他の債務と区別して特別扱いするというものです。
注意が必要なのは,住宅資金特別条項は住宅ローンの返済計画を変更できるにとどまり,元金・利息・遅延損害金は,いずれも減額されないということです。滞納分の元本,利息・損害金は原則3年(最長5年)で支払う必要があります。
受任後ただちに各債権者に受任通知を発して取立を止めます(支払いも止めます)。開示された履歴を法定利息計算して返済可能額まで減れば任意整理で解決するができます。
債権債務の調査と必要書類,費用の準備が整ったら裁判所に申し立てます。申し立てると裁判所により個人再生委員(弁護士)が選任されます。個人再生委員は再生計画認可の見込みがあるか,再生計画が適切に作成されているか等を監督します。申立人は弁護士と共に個人再生委員と面接を行い(個人再生委員の事務所),特に問題がなければ再生手続開始決定がされ手続が始まります。手続の期間は通常約6ヶ月です。
申立人は,申立時に毎月の弁済予定額を届けておき,手続終了までその弁済予定額を毎月個人再生委員の口座へ振り込んで預けます。
債権者からの債権届出期間を経て,弁護士が財産状況等の報告書,再生計画案を提出し,個人再生委員の意見を得て債権者の決議にかけられ,可決されたら再生計画認可決定が出されます(給与所得者等再生の場合は決議は不要です)。
約1 ヶ月で確定し,確定日の翌月から各債権者への支払いが始まります。手続期間中,個人再生委員へ預けていた金額から個人再生委員の報酬(東京地裁は原則15万円)が支払われ残額は申立人に返還されます。